きみはわたしの人生をめちゃくちゃにしにきたみどりの風

愛する子どもとの生活 月〜金更新!(土日祝休み!)

11月17〜18日

11月17日

ともだち家族(ともだち、ともだち夫氏、3歳、1歳)と公園でピクニックをした。
3週間前に遊んだばかりなので、3歳同士は最初から打ち解けていた。ぎゅーっとハグし合ったり、手を繋いで一緒に走って大人用のストレッチ遊具にふたりで絡みついたり、お互いのこだわりで犬のスプリング遊具に乗って、頭をぶつけ合いそうにしながら遊んだりしていた。お互いにお互いのことを気にかけあっているので、どちらかがピクニックシートに寝転ぶと、もう片方も寝転ぶし、どちらかが笑うと、もう片方も笑う。
1歳3か月の子は、ちょうど歩き始めるタイミングのようで、短い二本の足で床を踏みしめて立ち、一歩、二歩、と歩いていた。
わたしは、かわいいかわいい、まだまだ赤ちゃんの、ともだちの1歳3か月の子どもを見ながら、我が子のことを思い出していた。子どもも、1歳3か月の頃、歩くようになった。風邪で保育園を休んだある日、突然すっくと立ちあがり、わたしの方へ、トトトト、と歩いてきた。「あるけた!あるけたよ!」というような驚きとうれしさが入り混じった、そのときの子どもの特別な顔を、ありありと思い出した。
当たり前に時間は不可逆で、1歳3か月の頃の子どもには二度と会えないのだけれど、どうしてだろう、こうやってともだちの子どもを通して、あの頃の子どもが目の前にいる気持ちになる。生命が脈々とつづき、巡るっていうのは、こういうことでもあるかと考える。


11月18日

日曜日は夏のように暑かったくせに、きょうは冬だ。きのう間違ってニットを着て散々な思いをしたが、きょうは間違いなくニットでいいだろう。わたしは黒のタイトリブニットに黒のボリュームチュールスカートを合わせ、髪には黒のリボンのクリップを二つ付けた。
わたしが出掛ける準備をしている洗面所に子どもが走ってきた。子どもは「ママ、プリンセスみたい」と驚いたようにわたしを見上げた。全身黒づくめの人間は、プリンセスというより、黒の組織に属している人間だろう。
自分をプリンセス側に置いたことが人生で一度もなかったので、わたしは狼狽えてしまった。子どもはもう一度「ママ、プリンセスみたいだね」と言った。わたしは絞り出すように「ありがとう」と答えた。
子どもは来年のハロウィンに、オーロラ姫になりたいと言っている。わたしもベルになってもいいのかも知れない。

我が家は保育園から帰ったらすぐにお風呂に入る。これは感染症予防になる。まあしかし我が家に限っては、帰宅後すぐにお風呂に入っても、子どもが風邪をひいたらわたしもその2倍の強さの風邪をひくし、夫は無傷だ。あまり関係ない。
洗い場で子どもを洗い流し、抱っこで湯船に子どもを入れようとしたら、すでに子どもが湯船に入っていた。わたしはびっくりしたし、子どもも自分で驚いていて「ママなしでも入れた!」と目を丸くしていた。そして徐々にうれしさの波が押し寄せてきたのか、子どもは興奮して「あしたからママは必要ないよ、ひとりで入れるからね!!!」と力強く宣言した。わたしは「そうだね。もう一人で入れるんだね。ママが必要なくなって寂しいけど、〇〇の成長を感じられてすごくうれしいよ」と言った。子どもは「ママ、さみしがる必要はないよ。大丈夫だよ。〇〇が大きくなっただけだよ。だからママはさみしがらなくていいよ。〇〇は大人になるよ。もっと大人になるよ。長生きできますようにって願いを込めたのが千歳あめだよ」と、千歳あめまで一気に息継ぎなしで説明した。

眠る前、わたしが「ぎゅーしていい?」と子どもに聞いた。すると「別に聞かなくていいよ。知らない人でもあるまいし」と子どもが言った。「知らない人でもあるまいし」と3歳に言われるとは思っていなかったので、笑ってしまった。最近子どもがやたら癖のある言い回しをするので、わたしがこんな癖のある言い回しをしているのだろうかと不安になる。